在日だと話したら、「じゃあ韓国語も話せる?」と聞かれた。日本語で育ってきた自分には、返事に困ることもあるかもしれません。話せる言葉だけで、自分の背景が決まるわけではありません。
日本語で暮らしてきた自分のままで
家庭や学校でどんな言葉を使ってきたかは、人によって違います。韓国語を話す機会がなかった人も、家族の呼び方だけ知っている人もいます。
「在日なのに」と自分に条件を付けなくて大丈夫です。何語をどのくらい話せるかと、家族や自分のことをどう思っているかは、別々に話してよいことです。

同じ在日同士でも、言葉の経験は違う
学校で学んだ人、家で聞いて育った人、大人になって勉強を始めた人。それぞれの経験があります。相手が話せるからといって、自分も同じように話せなければいけないわけではありません。
家族が使う言い方と、教材で知った言い方が違うこともあります。どちらかをすぐに間違いとせず、誰と使ってきた言葉なのかを聞くと、その人の暮らしも見えてきます。
恋人には、普段の言葉を伝えればいい
「私は日本語で話す方が楽なんだ」。そんなふうに、いつもの自分を伝えるところから始められます。語学力を評価してもらうための説明にする必要はありません。
相手の家族と会うときに不安があれば、どんな言葉で話すのか、分からないときは間に入ってもらえるかを恋人に聞いておきましょう。初めて会う人への挨拶も、一緒に考えられます。
話せないことを、謝らなくてよい
何気ない質問でも、何度も説明するのがしんどい日があります。「日本語で育ったので、韓国語はあまり話さないんです」と短く答えて、別の話題に移って構いません。
反対に、自分から家族や言葉の話をしたい日もあるでしょう。いつも同じ説明を用意しておくより、そのとき話したい範囲を選べる方が楽なこともあります。
学びたくなったら、使いたい一言から
家族の名前を読んでみたい、旅行で注文したい、好きな作品を字幕なしで楽しみたい。興味が出てきたら、その目的から始められます。出会いや結婚のために急いで身に付ける課題にしなくてよいのです。
講座を探すなら、入門から学べるか、通える時間か、費用はどのくらいかを確認します。家族が話せる場合も、毎回教えてもらうことを当然にせず、一つだけ尋ねるところから始められます。
学ぶことも、今は学ばないことも選べる
忙しくて続かなかったとしても、家族や文化を大切にしていないということにはなりません。言葉以外にも、自分が大切にしているものはあるはずです。
相手を知るときも、話せるかどうかだけで決めつけず、普段の暮らしや好きなことに耳を傾けたいですね。お互いが話しやすい言葉で、会話を重ねていけたら十分です。
